DC Power Supply

直流安定化電源装置(直流電源)


直流安定化電源装置は家庭用の交流100Vを安定した直流電 圧に変換する装置です.



図 直流安定化電源解説図

直流安定化電源装置の初期化

電源装置は,電子部品に電力を与える装置ですが,同時に使用方法 を誤ると電圧を加えすぎて部品を破壊することもあります.必ず以 下の初期化手順を行ってから,回路へ接続してください.
  1. 電源装置の電源スイッチ6が切れていることを確認します.
  2. 0V選択金具3が,−側ポート4に接続されているか確認しま す.0V選択金具が+側ポート5に接続されている場合は,中央のねじをゆるめ,0V選択 金具を−側ポートに接続し,ねじを締めて固定します.
  3. 電圧粗調整ツマミ9と電流調整ツマミ7を,反時計回りに止ま るところまで回わし,電圧微調整ツマミ8を12時の位置に合わせ ます.
これで,電圧は約0V,電流は0Aの状態になります.

電圧を調整するには

出力電圧を調整するには,以下の手順で行ないます.
  1. (すでに実験回路へ電力を供給している場合) 電源装置の電源スイッチ6をOFFにし,実験回路への電源供給配線を外し, 再び電源スイッチをONにします.これは,電圧設定中の操作ミス による実験回路の破壊を防ぐためです.
  2. (最初の電圧調整の場合) 電流調整ツマミ7をわずかに時計回りに回します(電流が全く流れ ていない状態では,電圧計1が作動しないため).電流調整ツマミ を回す量は,多くても8分の1回転程度でよい.
  3. 電圧計1を見ながら電圧粗調整ツマミ9をゆっくりと時計回り に回転させて,ほぼ目的の電圧になったところで電圧微調整ツマミ 8を使って微調整します.
  4. 実験回路に接続する前に,電源スイッチをOFFにします.
  5. 実験回路へ接続し,電源スイッチをオンにし,電流調整ツマミ により電流を調整します.電流計2を見ながら徐々に時計回りに電 流調整ツマミを回転させて,電流の増加が無くなったところから少 し回して回転を止めます.
以下の電流調整方法も確認してから実験回路に接続してください.

電流を調整するには

電源装置の設定が完了しても,実験回路に短絡などの間違いがある場合,大き な電流が流れることがあり危険です.そのような場合でも電流調整ツマミ による制限が加えてあれば,完全な破損まである程度時間稼ぎがで きます.
  1. 電源装置の電源スイッチ6をOFFにし,実験回路に接続しま す.
  2. 電流調整ツマミ7を反時計回りに止まるまで回します.
  3. 電源スイッチをONにします.
  4. 電流計2を見ながらゆっくりと電流調整ツマミを時計回りに回 し,電流計の針が動かなくなったところから少し回して電流調整ツ マミを止めます.しかし電流計の針が振りきった場合は,即座に電 源スイッチを切り実験回路の誤りを見つけてください(大きな電流 が流れた後は,回路が加熱しているので火傷しないように注意しま す).
以上,安全に実験を行うために電流計の針の動きには常に十分注意 し,電流調整ツマミは必要以上に回さないようにします.

マイナスの電圧を発生させるには

実験によっては,マイナスの電圧が必要となる場合があります.マ イナスの電圧を発生させる手順は,以下の通りです.
  1. 電源スイッチ6をOFFにし,実験回路への電源供給配線を外 します.
  2. 0V選択金具3のねじをゆるめ,+側ポート5へ接続し,ねじ を締めて固定します.
  3. +側ポートを0V(−側ポート4からはマイナスの電圧が出力 される)として,電圧調整を行い,実験回路へ電源供給配線を行な います.
実験が終わったら,即座に0V選択金具を−側ポートに接続し直し ておくことを忘れないで下さい.

プラスの電圧とマイナスの電圧を同時に発生させるには

実験によっては,プラスとマイナスの電圧が同時に必要となる場合 があります.その手順は,以下の通りです.
  1. 電源装置を2台用意し,両方とも電源スイッチ6をOFFにし,実験回路 への電源供給配線を外します.
  2. 向かって左側をプラス電圧発生用,右側をマイナス電圧発生用 とします.
  3. マイナス電圧発生用電源装置(右側)で,0V選択金具3のねじをゆるめ, +側ポート5へ接続し,ねじを締めて固定します.
  4. プラス電圧発生用電源装置(左側)の−側ポート4とマイナス電圧発生用 電源装置(右側)の+側ポートを導線で接続します(これで両電源装置の0Vが 一致します).
  5. プラス電圧発生用電源装置(左側)の+側ポートをプラス電圧,−側ポー ト(あるいはマイナス電圧発生用電源装置の+側ポート)を0V,マイナス電 圧発生用電源装置(右側)の−側ポートをマイナス電圧として,電圧調整を行 い,実験回路へ電源供給配線行ないます.
実験が終わったら,即座に0V選択金具を−側ポートに接続し直し ておくことを忘れないで下さい.

直流安定化電源装置の終了方法

電源装置の終了処理で重要なことは,次に誰かが使っても危険がな いようにしておくことです.つまり初期化手順と同様に,以下の手 順で行ないます.
  1. 電源装置の電源スイッチ6がOFFになっていることを確認し ます.
  2. 配線を除去し,設定等で変更した部分を元に戻します.
  3. 電圧粗調整ツマミ9と電流調整ツマミ7を,反時計回りに止まるところま で回わし,電圧微調整ツマミ8を12時の位置に合わます.

2002.04.03.
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